スタッフブログ
STAFF BLOG2020.03.06 / 内藤(雄)
「頭の良い子が育つ間取り」について、元教員スタッフが本気で考えてみた
歌うことが好きです。
休日ユーチューバー、県央支店の内藤です。
ギター弾き語り動画(映画ドラえもん のび太と新恐竜 主題歌)
コロナコロナコロナコロナ・・・
テレビも、SNSも、この話題ばかりで、気持ちが滅入ってしまっている人も多いのではないでしょうか?
”自粛ムード”が広まり、予定されていた多く人が集まるようなイベントは、軒並み中止になっていますね。
とあるドラッグストアでは、マスクを買うために開店待ちの行列ができ、整理券を配ってたり、トイレットペーパーなどが”買い占め”られ、売り場から消えていました。
各学校では、年度末・卒業シーズンを目前に、突然の長期臨時休校となっているところも多いようです。
この結果、自宅で過ごすことを余儀なくされているお子さんをお持ちのご家庭も多いはずです。
我が家にも小学生が2人います。(6年生と3年生)
3月から長期休校となり、夫婦共働きのため、日中は兄弟2人きり、家の中で過ごしています。
学校に行かず、人にも会わず、家の中だけで生活する日々が1ヶ月以上も続くということになると…
親としては、ついついこんな心配をしてしまいます。
『勉強もろくにせずに、
ゲームや YouTubeばかり見て、
ダラダラした生活が続いたら、
この子たちは
バカになってしまうんじゃないか』
と。
親であれば、子どもに対する今の教育は、本当にこれで良いのだろうか?
つねづね心配になるものです。
「頼むから、バカにはなってほしくない。」
「できれば、頭の良い子に育ってほしい。」
「いや、普通でいい。バカじゃなければ。」
バカバカばっかり言って、失礼いたしました。
しかし、
子どもには、しあわせな人生を送ってほしい。
そのために、賢く、たくましく育ってほしい。
そう願うのは、親であれば当然の想いだと思います。
つまり、
親は子どもに対してこう願っています。
「しあわせな人生を送ってほしい。そのために、健康で頭の良い子に育ってほしい。」
ここでいう「頭が良い子」とは、テストの点数が良いという学生の時代でしか通用しないような狭い意味の「頭が良い」ではありません。
思考力・観察力・想像力・好奇心・感性の豊かさ・チャレンジ精神
こういった能力をもっている子ども
言いかえれば、
自分の頭で考えられる子ども
これからの時代を豊かに生きていける子ども
のことを指しています。
そんな、「頭の良い子」に 育ってほしいという想いがあるからこそ、お子さんが生まれたりしたタイミングで家づくりを考え始める方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、今回のタイトル
(やっと たどりついた)
『頭の良い子が育つ間取り』についてご紹介します。
タイトルでも触れたとおり、私は以前、学校の先生をしていた経験があります。
だからといって『子どもの教育』についての専門家でも、何でもありません。
必死に3人の子育てをしている、イチ父親です。
それでも、教育の現場を経験し、その後、住宅の仕事に関わり15年。
この経験から
『子どもの教育 × 住宅の間取り』
という視点でお話ししてみたいと思います。
私の経験を通してしかお伝えできないことを、
子育て中の方、これから子育てをされる方、これから家づくりを考える方、
そんな皆さんに共有させていただこうと思います。
■『頭が良い子が育つ間取り』とは?
さて本題。 (やっと!)
みなさんは「頭の良い子が育つ間取り」と聞くとどんなものをイメージしますか?
たとえば、子どもが勉強するための部屋はどの位置が良いと思いますか?
「日当たりの良い南向き」
「集中できる静かな場所」
でしょうか?
子ども部屋には何があったら良いと思いますか?
「子ども部屋に大きな本棚を設ける」
「勉強道具を広げられるように、大きな作り付けのデスクを設ける」
このようなご要望をいただくこともあります。
そもそも「子ども部屋」は必要でしょうか?
はい、回りくどくてすみません。
まず、結論から先に言いますね。
『頭が良い子が育つ間取り』
とは 一言でいうと、
『コミュニケーションが生まれる間取り』
です。
実はこれ、
「頭がよい子が育つ家」※1
という本に書かれていたものです。
この本の内容を参考に、
「頭の良い子が育つ間取り」=「コミュニケーションを生む間取り」
について具体的な例をご紹介していきたいと思います。
■『コミュニケーションを生む間取り』の具体例
この本の構成は、有名中学の難関入試に合格した、いわゆる『頭の良い子』が住んでいた家の間取りや、家庭での様子を公開して、そこからポイントとなる部分を要素として抜き出して、具体的にあなたの家を『頭の良い子を育てる家』に変えていくアイデアを提唱するという構成になっています。
その中の事例でどの家庭にも共通していることが、家族とのコミュニケーションが自然と生まれるような空間作りになっていました。
人とのコミュニケーションには、国語や算数の問題を解くよりもはるかに複雑に脳の回路が働くんでしょうね。
表情や声のトーンなどから相手の気持ちを読みながら、臨機応変に会話をしたり、リアクションをとったりするわけですから。
コミュニケーションは会話だけではありません。
物音、気配、におい、スキンシップ、食事など五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)で感じられるものすべてがコミュニケーションとなりえます。
というわけで、コミュニケーションが自然と生まれる具体的な間取りについて、弊社の建築実例も交えながらご紹介していこうと思います。
①リビングにスタディースペース
リビングにいる家族の気配を感じる空間で安心しながら勉強できます。
②吹き抜け
1階と2階をつなぐ吹抜け空間は、創造力や、感性を育みます。
③リビング階段
「ただいま!」とお母さんに声をかけてから子どもは自分の部屋へ行く。
必ず家族が顔を合わせる仕掛けです。
④オープンキッチン
一緒に料理したり、食事を楽しんだり。
嗅覚・味覚・触覚を育てる空間です。
⑤回遊動線
行き止まりがない間取り。
思考力を止めない間取り。
⑥飾り棚
季節を感じる飾り付けや、子どもの作品を飾ることで、感性を豊かに育みます。
⑦自然とのつながり
自然とつながる庭。外に出られるテラス。
外の自然は癒しの効果もあり、子どもの情緒が安定します。
⑧未完成な家
完璧に作らない子ども部屋。
可変性をもたせ、自分たちで工夫しながら完成させていく「余白」を残す。
■教育空間における 3要素
このようにコミュニケーションが上手に取れるような空間を「教育空間」という言葉で表現するようなのですが、この教育空間を作るうえで大切な要素が3つあるといいます。
1つめは「見え隠れ」
子ども部屋のようなプライベートな空間と、リビングやダイニングのようなパブリックな空間とを上手に仕切る仕掛けのことです。
窓や建具などがそれにあたります。
2つめは「回遊性」
プライベートスペースとパブリックスペースに連続性を持たせる仕掛けのことをいいます。
ろうか、中庭、ロフト などがそうですね。
3つめは「シーン作り」
プライベートスペースやパブリックスペースに目的を持たせる仕掛けのことをいいます。
飾り棚、メッセージボード、本棚 などがこれに当たるそうです。
これらのことを間取りに取り入れていくと、家は、最適なコミュニケーション空間
つまり「教育空間」となり、五感に刺激を与えることで家が「頭の良い子」を育ててくれる空間になっていくんですね。
■本当に大事なのは、『間取り』じゃない。
いかがでしたでしょうか?
ここまで「コミュニケーションの生まれる間取りが大事」と言ってきましたが、最後にあえて言います。
ここまでの文章を裏切るようなことをあえて言います。
本当に大事なのは、「間取り」じゃありません。
(言ってしまいました)
なんなら、本当は
頭の良い子に育ってほしい
とも、あまり思っていません。
(また言ってしまいました)
本心。
子どもには自由に生きてほしいと思っています。
親の目や、想いにとらわれず、自由に生きていけたら子どもは何にだってなれます。
なぜなら子どもの可能性は無限だから。
子どもの可能性の芽をつぶさないために親としてできることは「邪魔をしないこと」
子どもの邪魔をせず、自分自身の『いま』を楽しむこと。
夫婦仲良くいること。
妻を大切にすること。
それが父親の役目です。
イチ父親としてできることはそれしかないと思っています。
子どもにとってお母さんの気分が良い状態はとても居心地がいいものです。
お母さんの気分が良いと家庭は平和です。
家庭に安心感があるからこそ、子どもは外の世界に興味を持ったり、考えたり、作り出したり、チャレンジできるようになります。
我が家では子どもたちに家訓のように私が言い聞かせていることが一つだけあります。
それは、
「この家で一番大事なことは、ママが気分よくいることだよ」
実はこの本にも、
〇お母さんのスペースを贅沢にしよう
という章が書かれていました!
(ほら やっぱり!)
この一文には、ひどく納得してしまいました。
今回は細かく説明しませんが、気になる方は、ぜひこの本を読んでみてください。
「頭の良い子」を育てるために、間取りで工夫できることもあります。
でもまずは、夫婦仲よくして「お母さんの気分」をよくすること。
『間取り』は その次。
そんな風に思っています。
YouTubeで、今回のようなこともしゃべってみようかな、と思いつつ。。。
今回はこのあたりで!
人生のモットーは、【すべての家族を幸せにする】
内藤でした。
今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
※1
今回参考にしたの本はこちら。
『頭がよい子が育つ家』
日経BP社
四十万 靖・渡邊 朗子 著