アフターメンテナンス
AFTER MAINTENANCE2018.06.07
結露対策
梅雨の到来にあたり、今回は皆さんの悩みの種となる“結露”についてお話します。
近年、日本の住宅の高気密・高断熱化が日々進化しています。
サッシも進化していて、オール樹脂サッシ、トリプルガラス、アルゴンガスやクリプトンガス(ガラスとガラスの間の中空層に充填するガス)など多種多様な製品が実装されています。
しかしながら、これだけでは“結露”の解消には不十分です。「今の住宅、サッシは高性能なので結露することはありませんよ」は間違っているのです。生活スタイル、立地条件など色々な要因が相まって“結露”という現象を引き起こすのです。
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結露とは?
それではそもそも、“結露”とはどういった現象なのでしょうか?
空気中には目には見えないけど、多かれ少なかれ、湿気や水蒸気が含まれています。少しイメージしてください。
コップに水を注いでいくと、あるところでコップから水があふれてしまいます。空気中でも同じことが起きていて、この“溢れてしまう”状態が結露なのです。室内の空気をコップと見立てた時に、このコップは室内温度によって大きさが変化します。気温によって留めておける水分量が変化するということです。詳しく言うと温度が高くなればなる程、留めておける水分量は増えるのです。
この許容量を超えて、空気中の湿気・水蒸気が多くなり、あるところまで達すると、目に見える場所に水滴となってでてくる。これが結露です。
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住宅で結露しやすい場所はどこ?
それでは、結露の発生しやすい場所はどこでしょう?
結露は下記のような、寒暖差の影響を受けやすい箇所、空気の滞留しやすい箇所…などで発生の可能性が高まります。
・窓ガラス
・サッシ(窓)廻り(サッシ枠や額縁)
・押入れのふとんの裏側
・家具のうしろ
・部屋の隅っこ
…etc.
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結露の発生を促進してしまう住まい方
次に結露の発生を促してしまう住まい方について考えてみましょう。
下記のように、空調の不具合を除けば、空気中に水蒸気を放出する=水分を供給する行為が結露発生の大きな原因と考えられます。
1. 部屋ごとの寒暖差が著しい
2. 開放型の燃焼暖房機(石油ファンヒーターなど)を使用する
3. 室内で洗濯物を干す
4. 水槽や植物を部屋に置く
5. 浴室の戸を開けっ放しにする
6. 24時間換気の意図的な運転停止
7. 部屋の空気が循環されない
…etc.
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結露を極力させない為に自分でできること
既にお気づきの方もいらっしゃることでしょう。簡単に言えば、上の1~7までの行為と逆のことをすれば結露しにくくなると言うことです。
1. 部屋ごとの寒暖差が著しい
…こちらは住宅の性能によるところも大きいですが、寝室やリビングなどただでさえ水分供給の多くなりやすい部屋については過度な暖房運転は避けましょう。
2. 開放型の燃焼暖房機(石油ファンヒーターなど)を使用する
…首をかしげてしまうかもしれませんが、燃焼=水蒸気の発生です。空気が直ぐに温まりますので好まれますが、結露の観点からはお勧めしません。また、最近の住宅は昔に比べて機密性能が格段に向上していますので、換気には十分ご配慮ください。エアコンを有効的に活用しましょう!
3. 室内で洗濯物を干す
…新潟の梅雨時期って室内干しが当たり前じゃない?と声が聞こえてきそうですね。その通りですよね。我が家もそうです。そんな時は、除湿器を運転したり物干し部屋に換気扇があるお宅は、そちらをフル活用しましょう。
4. 水槽や植物を室内に置く
…水槽には多量の水が入っています。目には見えないけど、ちょっとずつ蒸発し空気中に放出されているのです。観葉植物なども目には見えませんが、葉や根や土から水分を放出しています。何もしないでも湿度が高い梅雨時期に、水槽の水分や植物からの水分が加われば…想像するに易いですよね。梅雨時期についてはできる限り水槽や植物は屋外に置きましょう。
5. 浴室の戸を開けっ放しにする
…浴室はいわば湿気の宝庫。水分や水蒸気が他の部屋に比べて多量です。入浴後の浴室の戸を開けっ放しにしてしまえば、家中に浴室の水分を送り込んでいるようなものです。お風呂に入ったら浴室の戸は閉めて換気を行う。これは絶対です。
6. 24時間換気の意図的な停止
…新しい住宅の24時間換気は法的に設置を義務化されているものです。トイレやサンルームなど様々な場所に換気扇がついているはずです。それを止めてしまえば家の水分を多く含んだ空気が家中に滞留してしまいます。家の空気を循環させる為にフィルターなどの掃除をするとき以外は、その名の通り24時間、常に運転させておきましょう。お風呂の換気扇、あるいは部屋のレイアウトによってはキッチンの換気扇を24時間回し続けることも効果的です。
7. 部屋の空気が循環されない
…上記の4で24時間換気は常に運転させましょうとお伝えしました。でも空気の通り道を作ってあげなければ空気は滞留したままです。空気の通り道を作ってあげましょう。
家具や家電を壁にピッタリくっつけていませんか?
→壁際に物を置く場合は5cm程度の隙間を開けましょう。
収納に衣装ケースや段ボールなどを床に直接置いていませんか?
→衣装ケースや段ボールなどを床に置きたい場合は「すのこ」などを置いてからその上に置きましょう。空気の通り道ができます。
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結露防止の4大原則
最後におさらいです。結露防止の4大原則!
1. 湿気を出さない
2. 換気の促進
3. 空気の循環をよくする
4. 室温を適温に保つ
それでも窓の結露が止められない場合には、窓ガラスに、10~20倍に薄めた台所用洗剤を窓全体に伸ばすようにして拭き、その後でから拭きします。洗剤に含まれる界面活性剤によって、窓ガラスに水滴が付きにくくなります。
また、温湿度計を主要なお部屋にご用意いただき、体感だけでは把握しにくい湿度が適正な範囲かどうかを常日頃、チェックしていただくことも健康を保つには必要なことです。
以上、お役立てください。
メモとして浴室のカビ対策をご用意いたしましたのでご参考にされてください。
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MEMO:浴室のカビ対策
カビの増える3大条件は「温度」「湿度」「栄養源」と言われています。
梅雨に限らず浴室の換気については、よくよく気を付けて頂いていることと思います。しかしそれだけでは不十分!3大要素の一つを潰したに過ぎません。そこでこんなご提案を!
お風呂から出る前に!壁及び天井にシャワーを当て、人体から飛散した皮脂や脂を洗い流すのです。皮脂や脂はカビの増殖を助ける「栄養源」となってしまいます。加えて言うと、シャワーは50℃を超える高温が良いでしょう。高温の方が汚れ落ちが良いのはもちろんのこと、多くのカビは50℃以上の条件下で死滅すると言われているため新たなカビの発生を抑制する効果を見込めます。
さらにひと手間!高温の温水を当てた後に、水をかけて壁面、天井、浴室全体の温度を下げましょう!
さらにさらにひと手間!!ゴム製のスクイージーなどで水滴を落とし浴室の換気扇を回せばかなりの効果を期待できることでしょう!
是非お試しください。